地方分権・地域主権の大きな流れの集大成として、道州制の導入に向けた政府の取り 組みが活発化し、その理念や導入スケジュールを定める基本法の制定も具体化してきて いる。このような流れは今後も加速されていくと考えられ、各地方自治体レベルにおい ても、道州制導入時の道州という新たな枠組みに対応した各自治体の在り方が求められ てくる。このことは、既存の自治体の枠を越え、近隣自治体との相互補完やそれぞれの 地域の特色を活かした一体的な発展による自立したまちの形成への大いなる可能性と機 会と考えられる。
このような視点から、九州におけるこのクロスロード地域を考察すると、古くより既 存の枠組みとしての県境を越え、生活圏、経済圏を共有してきたことから道州制の導入 にともなう新たな変化に対応できる潜在的な素地を備えており、さらに、九州の人や物 の行き交う交通の要衝としての地理的な利点を有している。これらのことからも、九州 という新たな枠組みの中で、それぞれの自治体の在り方や役割が再構築されていくとき に、このクロスロード地域の一体的な発展と九州の発展に寄与できる力強い地域の創造 が可能であると考える。そのためには、このクロスロード地域において「目指すべき九 州のあり方」と「九州におけるクロスロード地域の役割の明確化」などについて議論を 深め、統一の地域ビジョンをもって、運動を展開し、更にその運動を行政、地域住民、 各関係団体の連携による大きな運動へと繋げる必要がある。
今こそ我々は、クロスロード地域からの恩恵を受け、またその価値を共有するものが 広く相集い、この地域の可能性の追求と、更には九州の発展に寄与できる力強い地域の 創造のために、このクロスロード地域全体を「わがまち」と考え、運動展開していくこ との必要性を確信し、ここにわがまちクロスロード協議会を設立するものである。